オードブルとアンティパストについて

アンティパストとはイタリア料理のフルコースの前菜

アンティパストとは?

一般的にアンティパストとはイタリア語で「Antipasto」と表記し、ラテン語で「ante」と「pastus」という言葉が合わさった単語です。「ante」とは「~の前」、「pastus」とは「食事」を意味します。つまり、アンティパスト(Antipasto)は「食事の前」という意味です。

フランス料理にフルコースが存在するのと同じて、イタリア料理にもコース料理があります。その中で、アンティパストとはコース料理の何品か料理の中で、最初に出される料理のことを指すのが一般的です。

フランス料理のフルコースで最初に出される料理は、酸味の効いたさっぱりとした味付けの料理で、イタリア料理のアンティパストとは少し違いがあるようです。

イタリア料理の伝統的なコース料理で出されるアンティパストのメニューには、チーズを塩漬けにした料理や野菜をオリーブオイルで漬けた料理などが登場します。また、地域や風土によっても、アンティパストのメニューの内容にはさまざまな違いがあります。

イタリアではチーズをふんだんに使った料理が有名ですが、イタリアの南部と北部ではアンティパストに使うチーズの種類にも違いがあります。

アンティパストとオードブルの違いは?

アンティパストとオードブルについて、どのような違いがあるかご存知でしょうか。

アンティパストはイタリア料理のフルコースでは主菜の前、つまり前菜としての役割を果たしています。地域によってもアンティパストの種類は実にさまざまですが、野菜や生ハムやチーズをふんだんに使った料理が主流です。

メイン料理である主菜と比べると、アンティパストはやや軽めの料理です。コース料理を食べる時に、主菜が出てくるまでには時間がかかりますが、それまでの間、アンティパストで空腹を少し満たすとともに塩漬けや酢漬けの料理で食欲がそそられます。

オードブルの発祥地はフランスで、フルコース料理の前菜として出される料理のことをオードブルと呼び、イタリア料理のアンティパストともよく似ています。

もうひとつ、イタリアのアンティパストとフランス料理のオードブルとほぼ同じ意味を持つ単語として「アペタイザー」という言葉があります。英語で「Appetizer」と表記し、もともとの意味は「前菜」ですが、今では「メイン料理の前に食欲を促してくれる前菜や食前酒」のことを指すようになりました。